勇壮な姿に歓声、熱気 与那原大綱曳 綱切れるほどの激戦


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熱戦の末、西に勝利し喜びに沸く東の綱武士ら=4日午後、与那原町の御殿山青少年広場

 【与那原】2千人超の綱武士が熱い戦いを繰り広げた4日の与那原大綱曳。集まった観客は勇壮な綱武士たちの姿に大歓声を送り、会場となった御殿山青少年広場は熱気に包まれた。観客席からは「日本一の綱引きだ」と声が上がった。

 からっと晴れた空の下、東西の大綱の結合部分にカナチ棒が差し込まれた瞬間、綱武士の勝負が始まった。大綱と支度ががくんと地面に落ち、東西が一気に綱を引き合った。両者一歩も引かず、綱は中心からほとんど動かない。大声を上げながら綱を引き続けること、1分40秒。急に西の大綱が切れた。戸惑う西を尻目に、東が綱をたぐり寄せた。めったにないハプニングに、綱武士はもちろん観客も戸惑ったが、「東の勝利」とアナウンスが流れると、両者に大きな拍手が送られた。

 大綱が切れてしまうほどの激戦を繰り広げた東と西は、綱引きの後、旗頭をぶつけ合って互いの健闘をたたえ合った。

 東の綱を引いた与那原東小4年の惣慶勇朝さん(9)は「勝ててうれしい。見ているより(綱を)引く方が迫力もあって楽しかった」と喜んだ。弟の奏朝さん(8)=同小2年=は「今日は観客席にいたから来年は綱を引きたい」と話し、勝負後に切り取った綱を大事そうにぎゅっと握り締めた。