偶然が呼んだ人助け 新婚旅行で沖縄訪問の夫婦 免許証忘れ計画変更も財布拾い届ける 持ち主「感謝でいっぱい」


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細田謙二さんの財布を知人に預けるため那覇バスターミナルを訪れた宮本淳一さん、佳奈さん夫妻=7月14日、那覇市泉崎

 新婚旅行で沖縄を訪れていた秋田県の宮本淳一さん(27)、佳奈さん(26)夫妻が7月14日、財布の落とし物を拾った。後日、持ち主の細田謙二さん(31)=東京都=に届けられた。宮本さん夫妻はレンタカーで旅をする計画だったが、免許証を忘れて予定を変更した。シュノーケリングをするため訪れた恩納村でタクシーを待つ間に草むらに落ちていた財布を見つけた。

 宮本夫妻の出会いは東日本大震災がきっかけ。宮城県仙台市出身の佳奈さんは家が津波にのみこまれ、仮設住宅で暮らした。兵庫県出身の淳一さんは仮設住宅の建設ボランティアをするため仙台市に滞在した。携帯電話を新調した淳一さんの番号が、偶然にも佳奈さんの友人が解約した番号と同じだったことから知り合い、交際がスタートした。佳奈さんが暮らす仮設住宅が淳一さんの建設したものだったという偶然も重なり、運命を感じたという。

 今回についても「レンタカーで旅をしていたら財布を見つけていなかった」と偶然に驚き、「ハプニングからスタートしたが良い旅になった」と喜んだ。

 仕事で沖縄を訪れ財布をなくした細田さんは「諦めていたのに奇跡だ。感謝の気持ちでいっぱい」と語った。
 (中川廣江通信員)