沖縄県立芸術大学の藤田喜久准教授らの共同研究チームは5日、オーストラリア領クリスマス島の海底洞窟で新種の光るクモヒトデを発見したと発表した。クリスマス島で見つかったことから「オフィオプシラ・クリスマスイルミナンス」(和名ドウクツヒカリクモヒトデ)と命名した。海底洞窟で生活する発光生物はこれまで例がないという。
藤田准教授は2011年、シンガポール国立大学のラッフルズ生物多様性研究博物館とクイーンズランド博物館(オーストラリア)が中心になった調査に参加し、光るクモヒトデを発見。当初は深海にいる別種と考えられていたが、東京大学の岡西政典特任助教や中部大学の大場裕一教授らとの共同研究で腕の長さなどに微妙な違いがあることが分かり、新種と確認された。
藤田准教授は「砂の中から取りだした時、ぴかっと光ったように感じた。ライトを消して改めて確認するとものすごく光った」と、発見時の驚きを語った。
新種のクモヒトデは触ると光る特徴がある。光る理由について大場教授は「敵に襲われた時に光ることで、より大きな敵の敵を呼び寄せる『光のSOS』ではないか」と推測している。