全国高校総合体育大会「感動は無限大 南部九州総体 2019」は7日、九州各地で行われ、ハンドボール女子の準々決勝で那覇西は四天王寺(大坂)に23―22で逆転勝利した。
素早い判断力と果敢な個人技が持ち味の池間飛勇が勝利の原動力となっている。初戦から攻めあぐねる場面でも、主導権を奪い合う状況でもブレずに相手守備の間に飛び込んでいく。黒島宣昭監督も「飛勇がいいなぁ」とうなった。
身長166センチ、左利きの右バックプレーヤーとしては小柄だが、素早いステップと緩急を駆使し、体が流れても軸をぶらさずシュートを決めた。食らいつく岩国工の守備も振り切り、視野外からアシストも受けて点を量産した。
3月の春の全国選抜では直前に右足首を負傷した。主力の1人を欠いたチームは3回戦敗退し、皆で目指した「全国3冠」は消えた。
母親の亜紀さんは「相当悔しかったみたい。全国総体は中学からJOCで戦ってきたメンバーで挑む最後の大会だから『みんなに恩返ししたい』と言っていた」という。家族も食事や生活面から支え、万難を排して応援に駆けつけた。
得点源の多い興南でもひときわ輝く池間。「次の相手(香川中央)が選抜王者でも負けない。やってきたことを全部出して勝つ」。春の悔しさは、春の王者を破ることで昇華させる。
(嘉陽拓也)
(山鹿市総合体育館ほか)
▽女子準々決勝
那覇西
23―22(13―17,10―5)
四天王寺(大阪)