個人技と総合力存分に発揮 ハンドボール男子準々決勝


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男子準々決勝 岩国工―興南 クロスの連係からシュートを放つ伊禮颯雅=7日、熊本県の山鹿市総合体育館

 全国高校総合体育大会「感動は無限大 南部九州総体 2019」は7日、九州各地で行われ、ハンドボール男子の準々決勝で興南が岩国工(山口)を37―25で退けた。

 勝ち上がる度に成熟している興南は、素早くチェンジの速い岩国工の守備に対し、クロスの動きから始まるセットプレーと個人技で次々と得点を奪い、改めてその強さを見せつけた。準々決勝も全員出場という選手層の厚さ。主将の伊禮雅太は「練習してきた興南のハンドで全国強豪と立ち向かえると改めて実感した」と胸を張った。

 横の動きが速い岩国工の選手をうまく左右にさばくと、前への推進力の無いシュートをGK西原雄聖が見て反応し、本試合も約10セーブ。伊禮は体格を生かしたパワフルな個人技を発揮。興南OBで、海外でも活躍した元プロ選手・田場裕也氏から「個人技や精神面など貴重なことを多く学んだ」という成果を発揮。その伊禮が2度退場しても、大城佑吏や瑞慶山充貴らが相手攻撃を封じ始めると前半だけで10点のリードをつくった。

 ハーフタイム。「点差ほど余裕はない」と黒島宣昭監督に笑顔はなかったが、杞憂(きゆう)に終わる。池間飛勇や田仲康太郎らが視野外から走ってパスをもらい得点。楚南和輝や新里正逐ら途中出場の選手らも、相手守備の虚を突く連係プレーに絡んでいく。大会前、黒島監督は「エースの雅太に頼る部分がある」と懸念していたが、1年の伊禮颯雅もセンターとして先輩らをうまくアシストするなど、全員ハンドで地力の強さを発揮した。

 田仲は「大会前は『まとまりがない』とも言われたが、今は皆が実力以上の力を出している」と胸を張る。準決勝の相手は、3月の全国選抜大会王者の香川中央。1年の颯雅は「チームが勝つために全てを出し切る」と、団結して王座を奪いに行く覚悟を見せた。
 (嘉陽拓也)

※注:伊禮雅太の「禮」はネヘン


(山鹿市総合体育館ほか)
▽男子準々決勝
 興南
 37―25(16―10,21―15)
 岩国工(山口)