台風9号、4人けが 先島で1万1000戸停電


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎
強風の影響ではがれ、車に覆いかぶさった建物のトタン=8日午後9時半ごろ、宮古島市平良

 大型の台風9号は8日午後9時に非常に強い台風から「猛烈な台風」に変わり先島諸島にかなり接近した。今後勢力を維持したまま9日明け方にかけて先島諸島を通過し、同日午前には東シナ海に抜ける見通し。台風の接近に伴い、宮古島市の宮古空港では午後8時17分、8月の観測史上最大となる最大瞬間風速38.6メートルを観測。同市や石垣市、強風域に入っている本島地方で40~80代の男女計4人が重軽傷を負った。

 台風は8日午後11時現在、石垣島の東北東約70キロを時速15キロで北北西に進んでいる。中心気圧は925ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は55メートル、最大瞬間風速は75メートル。中心から半径190キロ以内は風速25メートル以上の暴風域。沖縄気象台は引き続き9日夜にかけて、暴風やうねりを伴う高波、大雨や高潮に厳重に警戒するよう呼び掛けている。
 気象庁によると、最大風速54メートル以上、強風域(風速15メートル以上)の半径が500キロ以上800キロ未満の「大型で猛烈な台風」が日本に接近したのは、与那国島で建物被害などが出た2015年の台風21号以来。
 県などによると、宮古島市で80代の男性が雨戸を閉めようとして負傷、石垣市では40代男性がベランダで足を滑らせて病院に搬送された。本島地方では那覇市と宜野湾市でいずれも80代女性が強風にあおられて、骨折の疑いという。
 沖縄電力によると午後11時18分現在、宮古島市で1万270戸、多良間村470戸、石垣市250戸、竹富町30戸が停電している。