【戦力分析】沖尚、堅守と勝負強い打撃 きょう習志野と初戦


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 第101回全国高校野球選手権大会第4日は9日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦4試合を行う。県代表の沖縄尚学は第3試合(午後1時開始予定)に春の選抜準優勝の習志野(千葉)と対戦する。両校の戦力や試合の見どころを紹介する。

◇沖尚、堅守と勝負強い打撃

初戦に向けて念入りにバッティングの調整をする沖縄尚学主将の水谷留佳=8日、兵庫県西宮市の鳴尾浜臨海野球場(田中芳撮影)

 5年ぶり8度目の出場となる沖縄尚学。夏の甲子園は2014年の8強が最高だが、春の選抜では1999年と2008年に優勝経験がある。今大会は堅守と勝負強い打撃で8強以上を目指す。OBには広島などで活躍した安仁屋宗八さん(沖縄高校時代)や08年選抜優勝投手の東浜巨(現ソフトバンク)などがいる。

《攻撃力》 リードオフマンで副主将を務める神里航平は県大会で四死球13、打率4割と出塁率が高い。続く2番島袋皓平は確実に犠打を決める器用さがある。3番を務める水谷留佳主将は打率4割2分9厘、打点9といずれの数字もチームトップ。4番から6番も打率3割を超え、勝負強さがあるため、確実に走者を返したい。調子がなかなか上がらない下位に当たりが出れば、より驚異的な打線となる。

《投手・守備力》 低めを丁寧に突くエース左腕の仲村渠春悟、球種が多く的を絞らせない右の比嘉大智、県大会で頭角を現した最速142キロの2年生右腕、永山蒼と投手陣の層は厚い。継投で最小失点に抑えたい。守備陣は二塁手の水谷や遊撃手の山下航平、髙良魁が支える。中堅手の神里は50メートル5・9秒の俊足を持ち、守備範囲が広い。県大会決勝で控えから出て攻守に活躍した吉里和己はラッキーボーイ的な存在。

◇習志野、しぶとさは健在

 8年ぶり9度目の出場となる習志野(千葉)。夏の甲子園は1967年と75年に優勝している。チームは春の選抜で頂点まであと一歩のところまで迫ったため、夏の優勝に懸ける思いは強い。全国上位の成績を残す吹奏楽部による迫力ある応援は「美爆音」と称され、打者の背中を押す。OBには元阪神の掛布雅之さんや2千本安打を達成し、今季限りで引退する福浦和也(ロッテ)などがいる。

《攻撃力》 4番櫻井亨佑は県大会で打率5割1分7厘、5番高橋雅也は4割4分。共に2年生が打線をけん引する。下位にも3~5割台の選手が並び、切れ目がない。犠打と盗塁も多く、着実に得点を奪う。強豪の木更津総合と対戦した県大会準決勝では、1点を追う九回2死走者なしから同点に追い付き、延長でサヨナラ勝ち。春の選抜で3度の逆転勝ちを収めたしぶとさは健在だ。

《投手・守備力》 右の本格派右腕、飯塚脩人がエース。県大会では23回を投げて被安打17、8失点とやや打たれた印象もあるが、最速150キロの直球は力強く、三振が取れる。飯塚と共に二枚看板を張る左の山内翔太は、23回で与四球わずか1と抜群の制球力。二遊間が守備陣を支え、県大会では失策3と安定している。

◇見どころ 投手陣、守備精度が鍵

投球練習で感触を確かめる沖縄尚学の投手・仲村渠春悟

 両チームとも守備力が高いため、ロースコアの展開が予想される。どちらが先制点を挙げて、主導権を握るか、注目される。攻撃もカラーが似ている。中軸を中心に調子を上げており、県大会のチーム打率はどちらも3割を超える。犠打や盗塁も絡めて着実に得点を重ねる力があるため、展開によっては1イニングで大量得点を挙げるような状況も考えられる。いずれにせよ、投手陣のできや守備の精度が勝敗の鍵を握りそうだ。