社会

沖縄に移り住んだ女子高校生から見えたもの 青い海しか知らない若者にメッセージ 石川県出身の坂本菜の花さん 3年間の滞在まとめた「沖縄日記」出版

沖縄で過ごした高校時代の3年間をまとめた本「菜の花の沖縄日記」を出版した坂本菜の花さん(提供)

 石川県出身の坂本菜の花さん(20)が沖縄で過ごした高校時代の3年間をまとめた「菜の花の沖縄日記」が出版された。15歳で親元を離れた坂本さんが通った那覇市のフリースクール「珊瑚舎スコーレ」での授業の様子や、街で出会った沖縄の人たちとのほほ笑ましい会話、米軍基地や沖縄戦について知り、自分にできることを模索する姿などが記されている。

 坂本さんは「普通の高校生だった自分が書いた文章を通して、沖縄の差別や理不尽なことを知ってもらいたい。沖縄を入り口に身の周りの問題を考えるきっかけになれば」と語った。

 同校に通いながら月に1度、故郷の地元紙「北陸中日新聞」にエッセーを連載。当時書いたエッセー3年分がまとめられた。沖縄を離れた後に経験した翁長雄志前知事の死去、名護市辺野古の新基地建設を巡る県民投票を通して考えたことも、自身の視点で描く。

 東村高江や辺野古の現場を実際に見て、米軍基地に関連する事件事故が起きても、県民の意思表示が政府に届かない現状を体感した。現地の人との関わりを通して人それぞれの考えや関わり方があること、沖縄の問題は日本の問題であり自身と沖縄はつながっていることを発見していった。


「菜の花の沖縄日記」

 坂本さんは「沖縄の青い海と空しか知らない若い人たちに沖縄の別の一面を受け取ってもらいたい」と話した。

 沖縄テレビがエッセーを原作としたドキュメンタリー「菜の花の沖縄日記」を制作し、第38回「地方の時代」映像祭2018グランプリを受賞した。20年には劇場版が公開予定。29日には都内で出版記念トークイベントがある。

 版元は合同会社へウレーカ。1600円。

 (上里あやめ)