宮古島 停電続く 台風9号 復旧作業、片付けに奔走


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台風の影響による停電で明かりの消えた信号機=9日午前、宮古島市平良

 【宮古・八重山】猛烈な台風9号の暴風域に入った宮古・八重山地方では一夜明けた9日、各地で強風による被害が確認された。同日は早朝から、散乱した草木を片付ける住民らの姿があった。宮古島市内では台風の影響で発生した停電が長引き、民家のほか、点灯していない信号も多数見られた。

 停電は8日夕方ごろから発生し、最大で宮古島市で1万3730戸、多良間村で470戸の明かりが消えた。10日夜までに復旧する見込み。宮古島署によると、信号機の無点灯による交通の混乱はなかった。市平良下地の剥岩元気さん(29)=飲食業=は「去年も台風を経験したが、停電したのは初めて。勤め先の店は停電してなかったので、食材が助かったのは幸いだった」と話した。

 県によると、市伊良部の下地島空港では西側場周フェンスが150メートル程度と350メートル程度の2カ所で倒壊。市平良の宮古空港でもエプロン灯の一部不点灯や架台の傾きが確認された。

 一方、石垣市新栄町にあるホテルでは、台風の影響で足止めされた観光客が宿泊や飛行機の予約状況の確認に追われていた。

 東京から2泊の予定で訪れた丸山今朝美さん(43)は「昨日は一日中ホテルに缶詰で、夜は風の音が怖くて眠れなかった。飛行機がお盆のピークと重なって3泊の延泊になりそう」と疲れた様子で語った。

 市真栄里に畑を所有する前津政祐さん(65)は「石垣では『ソウロン台風』といって、旧盆前後に強い台風が来る。今日はずっと片付けさあ」と言葉少なに語り、台風で散らかった畑を眺めていた。