継投の永山蒼 急成長の2年生 強心臓に磨き


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4回途中から登板し、力投を見せる沖尚の永山蒼

 第101回全国高校野球選手権大会第4日は9日、1回戦4試合を行い、第3試合に登場した県代表の沖縄尚学は春の選抜準優勝の習志野(千葉)に4―5で競り負けた。

 沖縄大会で頭角を現し、急成長した2年の永山蒼は中盤から登板し、84球の力投を見せた。6回1/3を3失点の投球内容だったが、ミートが巧みな習志野打線について「詰まった打球が多く、直球で押す力があると思った」と振り返り、全国でも張り合える手応えをつかんだ様子だった。

 四回途中、制球が定まらない仲村渠春悟からマウンドを引き継いだ。2死一、三塁のピンチだったが、習志野の竹縄俊希主将を1球で中飛に仕留め、悪い流れを断ち切った。課題の制球力を補う力強い直球、切れのあるフォーク。「力みはしたが、ただ抑えるという気持ちが強かった。緊張しないのは自分の強み」と大舞台にも動揺はなかった。

 1点リードで迎えた最終回、味方のミスで制球を崩し、追い付かれた。延長十回には高めの真っすぐをたたかれ、試合を決める5点目を献上した。「平常心で投げれば勝てた。焦って高めに浮いた」。収穫と同時に、一球の重みや甲子園の怖さも突きつけられた。

 敗退と同時にスタートする新チームで、甲子園を経験した投手は永山のみ。3万9千人の大観衆にも「誰かにずっと見られている感じで、それが楽しくて」と気後れしなかった。強心臓に磨きをかけた右腕は、ピンチでの投球術を課題に挙げ「場数を踏んでいる分、他を引っ張りたい」と次代をけん引する覚悟を示した。 (當山幸都)