花を手に、性暴力を許さない思いで被害者に寄り添う「フラワーデモin沖縄」が11日、那覇市泉崎の県庁前県民広場で開かれた。趣旨に賛同する200人(主催者発表)が参加した。性被害を受けた「サバイバー」や支援者ら一般参加者らが、それぞれの思いを共有した。同日は全国18都市でフラワーデモがあり、県内での開催は初めて。
今年3月に相次いだ性暴力事件の無罪判決を契機に、フラワーデモは4月11日に東京・大阪で始まった。共感が広がり、毎月11日に花を持って被害者に寄り添う行動が実施される。
最初に発言した女性は「13歳の時に性暴力に遭い、半世紀にわたって時間が止まったようだった。尊厳とは何か、命とは何かを伝えたかった」と、声を震わせた。
別の女性は「長く寄り添った女性がサバイバーだった。彼女は悪くなく、加害者が悪いと思う。みんなが安心できる社会になってほしい」と声を絞り出し、「加害者にもならないで」と伝えた。
17歳で米兵の車に連れ込まれ被害に遭ったという女性は「50年以上苦しんできた。被害に遭った人のどこが悪いの、と言いたい。悪くないと守ってあげてほしい」と話す。さらに「たとえ夫婦でも、相手の気持ちを尊重して」と訴えた。
「普段は立派な社会運動をしている人が性暴力をしている」と声を上げる女性も。しかし公にはできず「加害者が誰かによって扱いが変わるのは、私には分からない」と悔しさをにじませた。
蒸し暑い空気の中で周囲が暗くなっても約1時間、発言は続き、花を握り締めて静かに聴き入る姿もあった。
呼び掛け人の上野さやかさんは「思いをつないでいくことが今後の課題。集会がなくても発信したり助け合ったりできる社会であってほしい」と語った。刑法の性犯罪規定改正への機運を高めるため、フラワーデモは9月以降も全国各地で開催される予定だ。
ツイッターの「flowerdemo-okinawa」でも情報を発信している。