墜落は年に1回以上のペース 沖縄の日本復帰から2017年末までの米軍機事故は738件


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 2004年8月に起きた沖国大ヘリ墜落事故を含め、1972年の沖縄の日本復帰後に県内で起きた米軍機による事故は、2017年12月末までに738件(県発表)に上る。

 そのうち米軍機の墜落事故は50件を数え、相次ぐ事故に対する県民の不安は依然として払拭(ふっしょく)されていない。

 沖国大の事故では、墜落した米軍の大型ヘリに放射性物質「ストロンチウム90」が搭載されていた。だが米軍側はその事実を墜落炎上直後から3週間経過しても公表しなかった。宜野湾市消防本部の隊員らは防護服を身に着けず消火活動に当たった。

 ストロンチウム90など放射性物質に関して、琉球大名誉教授の矢ヶ﨑克馬氏(物性物理学)は「燃え上がると微粒子となり大気中に飛散する。発がん物質であり非常に危険だ。内部被ばくの恐れがあり、近くの住民が一粒吸い込むだけで被害があり得る」と指摘する。

 04年の墜落事故から15年が経過した現在も、基地あるが故の事故は後を絶たない。

 矢ヶ﨑氏は「米軍機事故が起きれば、何が飛び出すか分からないのが現状だ。事故の際には、煙を吸い込まないようにするなど、県民の『常識的な対応』を周知徹底する必要がある」と強く求めた。