天然ガス供給施設が稼働 セブンの製造工場に販売 発熱量と価格が安定


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プログレッシブエナジーの牧港天然ガス供給センター。武蔵野沖縄の工場に天然ガスを供給する=21日、浦添市牧港の沖縄電力

 沖縄電力のグループ企業で天然ガス(LNG)供給事業などを担うプログレッシブエナジー(PEC、中城村、湊好男社長)は21日、浦添市牧港の沖電本店構内に完成した牧港天然ガス供給センターの安全祈願祭を実施した。5月に完成し、6月からセブン―イレブン沖縄向けに総菜などを製造する武蔵野沖縄の工場にLNGを供給している。

 県内のLNG貯蔵・気化施設(サテライト)では初めて、熱量調整機能を備えた。LNGにプロパンガスを2~3%程度加えることで、燃焼時の発熱量を一定に保つことができる。発熱量が安定することで調理時の品質が維持できるという。LNGをためる槽は高さ13メートル、容量60キロリットルで、約24トンを貯蔵できる。沖電吉の浦火力発電所からローリー車で供給センターに移送する。センターから総延長754メートルの導管を通じて工場に供給する。総事業費は3億円強で、補助金は受けていない。

 LNGは石油系の燃料に比べ燃焼時の二酸化炭素排出量が少ない。石油と異なり特定の国、地域に埋蔵が集中していないため、価格の安定性も優れている。PEC社は沖縄ガスや各地の工場、ホテル、病院やショッピングモールなど19社に年間約3万トンを販売している。

 湊社長は「周辺には潜在的な顧客もいるので将来的に供給を拡大していきたい。牧港補給基地や米軍普天間飛行場の返還後の開発についても、ここを拠点に供給することができる」と話した。