基地、国民的議論を 安里長従氏(「新しい提案」実行委責任者) 県民投票シンポジウム詳報


社会
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 辺野古の問題の本質は軍事の理由ではなく、本土の理解が得られないという不合理な区分による自由の格差という人権の問題だ。「辺野古が唯一」を瓦解(がかい)させるためには普天間基地の県外国外移転を国民的議論で、国会において決める必要がある。

 福岡高裁那覇支部判決は辺野古新基地建設は自治権の制限を伴うことを認めているが、日米安保があるという論法で結論をごまかしている。憲法95条は一つの地方公共団体のみに適用される特別法は法律の定めるところにより、その自治体の住民投票で過半数の同意を得なければ国会は制定できないとある。県民投票は憲法95条の趣旨に基づき憲法上の拘束力を持つ。

 憲法9条を改正しない方がいいという世論は半数を超え、日米安保を容認する世論は8割を超える。この両立しない主張が日本国民を支えている。沖縄の歴史、米軍基地の過重負担を鑑み、沖縄以外の全国の自治体を等しく候補地として検討し、米軍施設が必要か否かを含め、国民的議論で決定すべきだ。