戦前から続く伝統の男手踊り 人手不足で途切れるも復活 継承に向けた思いは 全島エイサー最終日


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踊りを披露する仲宗根信仁さん(左)と佐渡山安廉さん

 沖縄市の池原青年会は直射日光に負けず、戦前から続く柔らかくしなやかな踊りを披露した。太鼓が中心だが、かつては男女の手踊りが主流だった。

 男の手踊りは人手不足で約20年前に途切れるも、10年前の全島初出場を機に復活。青年会OBらの力を借りながら継承に努めている。

 本番に手踊りを披露したのは仲宗根信仁さん(28)と佐渡山安廉(やすきよ)さん(40)のOB2人。足でリズムを取りながら握った拳で力強く舞った。池原では「基本は手踊り」といわれたほど重要視されていた。復活は果たしたが踊れる人が少なく、毎年披露できる状態ではないという。

 「存続させたい」思いから初めて手踊りに挑戦した仲宗根さん。演舞中は白い鉢巻きを頭に巻き、終始笑顔だった。「緊張したけれど、太鼓と違う達成感があり気持ち良かった。先輩や地域と協力し今後も継承していきたい」と誓った。

 7月から新たに青年会長を務める島田泰盛さん(22)は「いま途絶えたらまたなくなってしまう。踊れる人を増やし定着させたい」と意気込んだ。