砲丸大会新の上原、悔しさバネにした最後の1投


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少年女子A砲丸投げ 6投目に下半身のバネを利用して力投し大会新記録を出す上原梨恵子(普天間)=25日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム

 陸上の第50回全沖縄・第50回ジュニアオリンピック大会県予選は最終日の25日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで行った。女子少年A砲丸投げの上原梨恵子(普天間)が10メートル94で大会新記録を更新し優勝した。

 上原梨恵子(普天間)は24日の全国中学大会で直前までの調子の良さを本番に生かせず予選落ち。「この大会のために頑張ってきた」と落胆は大きく、それだけに「今大会で絶対に記録を出すと決めた」と悔しさをぶつけた。

 練習では大会記録を上回る11メートル台を出していた。「最初から伸ばしていく」と意気込んだが、1投目は10メートル10にとどまる。全国の疲労も残り、2投目以降も伸びず、焦りが募った。

 最後の6投目。試技前に近くで見守る外間勝監督に「名前を残そう」とハッパを掛られると「はいっ」と言い切った。

 片足で砲丸を構えると地面の反発力を利用し一気に放ち、大会記録を29センチ上回る10メートル94。「目標を達成できた」と肩の荷が下り、とびっきりの笑顔を見せた。

 投てきが専門の外間監督の下で中学1年の冬から競技を始めた。身長158センチで好敵手の友利晟弓には体格で劣るが、強靱(きょうじん)なバネを生かし「3年間地道にコツコツと力を伸ばしてきた」(外間監督)。

 短距離や跳躍も器用にこなし、5月の県大会の四種競技で新記録を出した。

 円盤投げは友利に敗れ、2位だった。進学後は円盤投げに軸を移すつもりだ。「今は晟弓に勝てないけど高校で勝ちたい」と焦らず地道に取り組むつもりだ。
 (古川峻)