主力入れ替わるも「堅守」健在 新生キングスの勝の方式とは…


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
琉球―信州 第3Q、リング下に切り込んでパスを出し、アシストを決める琉球の田代直希=27日、沖縄市体育館(大城直也撮影)

 多くの主力が入れ替わった新生キングスがBリーグのトップレベルで戦える可能性を見せてくれた。新チームが動き出してわずか1週間。コミュニケーション不足からのミスはあったが、身上である「堅守」は健在だった。3季目となる佐々宜央HCは「大前提のアグレッシブさは出してくれた」とうなずいた。

 動きが硬く、開始から3分が過ぎても2得点にとどまっていた雰囲気を変えたのは新主将の田代直希。「勝利にはリバウンドとルーズボールが大事」という意気込みを体現。体を張り、ファウルをもらいながらのレイアップや3点弾でチームをけん引した。

 すると、攻撃に変化が生まれる。佐々HCの「今季はより速いバスケを」との方針通り、パス回しと選手の動きが連動し、外からのシュートが入り始め、田代は「オフェンスは(昨季より)軽くなった」と手応え。後半は「空いた選手にパスを回す」という意識で試合をコントロールした並里成が、外へのキックアウトや自身でミドルシュートを決め、引き離した。

 一方、攻撃で外国人選手が孤立したり、守備のローテーションが遅れたりと新加入との連係では課題も見えた。攻守に積極性を見せた長谷川智伸は「エナジーを持って守備をやる佐々さんのバスケは自分に合ってる」と語り、好感触を得た様子だった。今季のスタート地点に立ったばかりのキングス。それぞれの個性をいかにチームにフィットさせ、レベルを底上げしていくか。さらなる変化が注目される。

 (長嶺真輝)