宮古島市、市民を名誉棄損で提訴へ 住民訴訟巡り 


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 宮古島市が2014年度に実施した不法投棄ごみ撤去事業が違法だとして、市民6人が下地敏彦市長を相手に事業費約2200万円の全額返還を求めた訴訟を巡り、市が市民6人に対して名誉毀損(きそん)で損害賠償を請求する準備を進めていることが29日までに分かった。市は訴訟についての議案を9月3日開会予定の市議会9月定例会に上程し、審議する予定。

 提案予定の議案書などによると、市は提訴の理由について、市民らが契約締結や支出命令を阻止する監督義務を怠ったなどとして、市の違法性を訴えたことが「訴訟手続きや新聞報道において虚偽の真実を繰り返し主張し続け、宮古島市の名誉を毀損した」ことに当たるとし、損害賠償として1100万円の支払いを求めている。
 さらに提訴の正当性については「宮古島市は公法人であるが、公法人も社会的名誉を保有している」などと主張している。
 29日に開かれた市議会議案説明会の後、取材に応じた長濱政治副市長は「住民訴訟の原告は、自分たちの訴えが最高裁まで全て棄却されたにもかかわらず、報告会や報道などを通じて誤った主張を繰り返してきた」と指摘。このことを踏まえ「市として名誉を汚されたと判断したことから(訴えを)提起した」と述べた。また、損害賠償額の根拠については640万円が訴訟費用、460万円が賠償金と説明した。
 下地市長は「(提訴は)これからのことなので、現段階でコメントすることはない」と述べた。