養護施設の子 県外企業視察 高校生8人、KPG実施


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企業視察研修について発表する美さと児童園の生徒ら=19日、沖縄市の同園

 オキナワグランメールリゾート(沖縄市)などを運営するKPG HOTEL&RESORT(田中正男取締役社長兼COO)は今夏、同市の児童養護施設「美さと児童園」と南城市の「島添の丘」の高校生8人を対象に県外の企業視察研修を実施した。高校卒業後の進路や将来の夢について考える機会を設けることが目的。研修を担当した同社の比嘉利作さん、オキナワグランメールリゾートの當眞正也さんと共に、高校2年生は7月24~26日に九州地方を、同3年生は8月10~12日に東京都を訪れた。

 研修は経済的な理由で子どものさまざまな機会が失われることを防ぐため県が実施する「子ども未来ジョイントプロジェクト助成事業」の一環で、今年で3年目。

 8月19日に美さと児童園で研修の報告会があり、同園の生徒らが現地で体験したことや学んだことを発表した。生徒たちは「沖縄でできない体験がたくさんできた」「将来の夢についてもう一度考えたい」と感想を述べた。

 同社が運営する佐賀県や長崎県の宿泊施設を見学した女子生徒は「旅館でベッドメーキングに挑戦した。ベッドにカバーを掛けるのが難しかった。ホテルで使う専門用語を初めて知った」と語った。

 東京に派遣された生徒らは児童養護施設「至誠学園」を訪れ、同園の生徒らと交流。自主行動でそれぞれが興味がある福祉施設や美容室に足を運んだ。

 美容師を目指す男子生徒は「就職したい美容室を見学して憧れの美容師に髪を切ってもらい本当にうれしかった。将来は一流の美容師になって沖縄に帰ってきたい」とはじける笑顔を見せた。

 東京視察に同行した美さと児童園の前川英伸園長は「いろんなことを経験しながら自分の将来に向かって頑張ってほしい」とエールを送った。