イベリコ豚に続け!アグーを「世界三大豚」に 11月、那覇で国際研究集会 欧州以外で初開催 関係者PRに期待


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琉球在来種のアグー=2017年10月、名護市の北部農林高校

 世界の在来豚の研究成果を発表する学術会議「第5回 Fatty Pig 国際研究集会」(主催・世界在来豚研究会)が11月27~29日に、沖縄県那覇市の県男女共同参画センターてぃるるで開催される。

 研究集会は「イベリコ豚」の産地スペイン、「マンガリッツァ」の産地ハンガリーで2年おきに開催されてきた。過去の大会で琉球在来種「アグー」の保存・普及に取り組む沖縄の存在を発信してきたことで、世界的な在来ブランド豚を誇る2国以外で初めて開催される運びとなった。

 集会には国内外から約150人の学者や研究者が集まると見込まれる。「Fatty Pig(脂肪質豚)」は脂肪に富んだ食味豊かな肉を有する豚の総称で、イベリコ豚やマンガリッツァが代表的だ。アグーも国内唯一の脂肪質豚と言われており、県畜産振興公社の嘉手苅孝夫理事長は「アグーを『世界三大豚』として入れ込む絶好のチャンスだ」とホスト県となった意義を語る。

 県畜産課は、ハンガリーで開催された第3回大会でアグーのPRを行った。2017年の第4回大会で次回開催地が日本に決まり、日本大会主催団体である世界在来豚研究会(会長・眞鍋昇大阪国際大副学長)の選定で、アグー産地の沖縄で開催することになった。

 学術会議の沖縄誘致によりアグーのブランドを世界に発信でき、各国の脂肪質豚の育種や流通・加工の専門家と情報交換できる。嘉手苅理事長は「世界的に需要があることが明確になれば生産者も頑張れる」と語り、アグーの生産向上や安定供給にもつながることに期待した。
 (石井恵理菜)