琉球王国の壮大なドラマ熱演 小学生から大学生67人 現代版組踊の誕生記念公演


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カーテンコールで拍手に応える「琉球伝信録」の出演者=8月25日、那覇市西のてぃるる

 沖縄県那覇市近郊の小中高生らでつくる劇団「那覇青少年舞台プログラム」(玉城祐子会長)は8月24、25の両日、那覇市西の県男女共同参画センターてぃるるホールで現代版組踊「琉球伝信録」を上演した。同劇団を中心に、県内外から集まった小学5年から大学生までの学生ら総勢67人が出演した。琉球王国の壮大なドラマを演じ、客席から大きな歓声が沸いた。

 組踊の初演から300年、現代版組踊の誕生から20年を記念する特別公演。

 現代版組踊は全国16団体が加盟しており、このうち北海道や鹿児島など10団体の団員やOB・OGが今回の舞台に参加した。300年前の琉球王国を舞台に組踊の始祖である玉城朝薫をはじめ、平敷屋朝敏、蔡温、名護親方(程順則)の4人の英雄たちの生きざまが演じられた。

クライマックスで華やかな群舞を繰り広げる出演者

 朝薫を演じた県立芸術大1年の嶺井南希さん(19)は「大役でプレッシャーもあったが、いざ公演が終わると寂しい気持ちが強い。またこのメンバーで舞台をしたい」と話した。朝敏役の沖縄国際大1年の大山倫受さん(19)は「奇跡のような時間だった。一生残る思い出になった」と振り返った。

 総合プロデュースを手掛けた演出家の平田大一さんは「僕が指導した子どもたちが次の世代の子どもたちを育ててくれた。感慨深い舞台だった」と充実感をにじませていた。

 公演に先立ち、衣装や楽器、音響機器など約40点が那覇東ロータリークラブ(大城真也会長)から寄贈された。鑑賞した同クラブ青少年奉仕委員会の渡慶次薫委員長(58)は「躍動感のあふれる舞台だった。寄贈によって運営の経費を多少でも軽減できたらうれしい」と話した。