補助金8689万円返納へ 伊平屋村、漁港工期内未完了で 担当職員の処分検討


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 【伊平屋】伊平屋村(伊礼幸雄村長)が発注した田名漁港のしゅんせつ工事で、工期内に完了しなかった出来高払い分の補助金8680万円について、村が県と国に返納することが分かった。3日の村議会臨時会に提案され、全会一致で可決した。村によると、担当職員などの処分も検討している。

 村農林水産課によると、田名漁港の改修工事は漁村地域整備交付金事業を活用して実施していた。総事業費は1億6300万円。交付金は国が70%、県が25%、村が5%の割合で支出していた。航路拡張のためのしゅんせつ工事で、工期は2018年4月から19年3月までだったが、同工期中の進ちょくは全体の4割で、出来高に到達していなかった。村は、業者への前払い金を出来高に含めて県に請求していた。

 野甫聡課長は「(業者への)前払い金が出来高に反映されると思い、前払い金も含めて県に請求したが、県から反映されないと指摘を受けて自主返納を決めた」と説明。工事が遅れた理由については「モズクの収穫時期と重なり、しゅんせつ工事ができなかった」とした。工事は19年度に繰り越し、7月に完了した。

 村では、17年にも村漁業協同組合が離島漁業再生支援交付金で虚偽の報告をし、不正に補助金を受給。国と県に補助金約2500万円を自主返還した。

 伊礼村長は「村民には大変申し訳ない。職員は常に村民視点で仕事をしなくてはならない」と話した。