芸能・文化

300年前の組踊再現へ 来月、国立劇場 初の野外公演 からくり花火も復元

「火花方日記」のからくり仕掛け花火の絵を手に公演を解説する茂木調査養成課長

 国立劇場おきなわの研究公演「御冠船踊と組踊『執心鐘入』と『銘苅子』」が10月4日と5日の両日、劇場隣の組踊公園で上演される。初の野外公演。組踊が玉城朝薫によって創られ、初めて上演された1719年の舞台を野外の特設舞台で再現する。また約150年前のからくり仕掛け花火も復元する。2019年度日本博を契機とする文化資源コンテンツ創世事業の一環。

 野外特設舞台は、1719年に琉球王国を訪れた徐葆光の「中山伝信録」と「冊封全図」から再現する。舞台は、演者が客席を正面に見て、後方から橋掛かりを通り欄干に囲まれた舞台に上がる構造になるという。幕がないため、舞台後方の景色が客席から見える状態での上演となる。

 からくり仕掛け花火は、1866年に書かれた「火花方日記」にある5種類の内、1種類を復元する。


300年前の舞台を再現する研究公演開催を発表した(左から)国立劇場おきなわの茂木仁史調査養成課長、稲福弘常務理事、金城厚県立芸術大学名誉教授、鈴木耕太県立芸術大学付属研究所専任講師、嘉数道彦国立劇場おきなわ企画制作課長=3日、国立劇場おきなわ

 当時の舞台や衣装、小道具などの再現は、「中山伝信録」や、伊波普猷の「校註琉球戯曲集」などを元に行う。県立芸術大学付属研究所専任講師の鈴木耕太氏は「(現在の舞台は)明治の商業演劇の影響を受けている。例えば(「執心鐘入」の)小僧役は現在のようなかつらではなく帽子をかぶり表現していた。公演を契機に衣装や小道具、作品の研究が進んでいってほしい」と話した。

 1部で御冠船踊の復元を試みた「老人老女」「入子躍」「扇子躍」を演じる。2部は4日に「執心鐘入」、5日に「銘苅子」を演じる。地謡の器楽に、胡弓、笛、太鼓に加えて鼓が入る。

 3日に同劇場で開かれた記者会見で稲福弘常務理事は「最新の研究成果を踏まえ、関係機関が連携して行う画期的な取り組み。伝統芸能に関心を深めてもらう良い機会になる」と話した。

 午後6時30分開演。観劇料は一般3700円。(30日までの購入は3600円)。問い合わせは同劇場(電話)098(871)3350。