沖縄景況、72ヵ月連続「拡大」 個人消費増も競争激化…今後、懸念されることは


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 日本銀行那覇支店は6日、7月の県内金融経済概況を発表した。県内景気は6年間、72カ月連続で「全体として拡大している」と判断した。桑原康二支店長は、百貨店とスーパーの既存店販売額が前年同月比で減少していることなどについて、トータルの個人消費は増加しているが「競争が激化している」と指摘。「需給バランスが崩れると企業の収益が悪化して、消費マインドの低下を招く。景気にとってマイナスにならないか留意が必要だ」と供給過剰にならないか、注視を続けるとした。

 【個人消費】百貨店・スーパー販売額は、サンエー浦添西海岸パルコシティの新規開業や前年に台風の影響で落ち込んだ反動もあり前年同月比4・2%の増だった。だが既存店ベースでは同1・2%減だった。コンビニ販売額はセブン―イレブンのオープンによる相乗効果があり全店舗で同10・6%増、既存店ベースでも増加した。家電大型専門店の販売額は同14・1%増と、消費増税前の駆け込み需要もみられた。

 【観光】主要な50ホテルの客室稼働率は前年同月比1ポイント減の82・2%だった。聞き取りでは、稼働率を上げるために値下げするのはやめたというホテルがあり、全体の売り上げは増加している。新規ホテルの開業などで競合の激化を指摘する声もあった。

 【公共投資・設備投資・住宅投資】非居住用の着工建築物床面積は前年同月比25・2%増。ホテルや飲食店などの工事が多かった。新設住宅着工戸数は同16%減で、貸家を中心に前年割れが続いている。