夢は発電所で働くこと 小学6年生、危険物取扱丙種に合格 独学で難関突破


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国家資格の「危険物取扱者丙種」を取得した神森小学校6年の仲里悠咲さん=5日、浦添市宮城

 【浦添】夢は発電所勤務―。浦添市立神森小学校6年の仲里悠咲(ゆうさく)さん(11)がこのほど、ガソリンや灯油、重油などの取り扱いができる国家資格「危険物取扱者丙種」に合格した。学校の休み時間も参考書を読み、独学で難関を突破。仲里さんは「法令の勉強はきつかったけど、頑張って良かった。次はもっと上のレベルに挑戦したい」と喜んでいる。

 きっかけは昨年夏、沖縄電力の職場見学に参加し、「かっこいい。技術系の仕事に就きたい」と思ったからだ。今年6月から独学を始めた。参考書は消火理論や燃焼の定義、関係法令など「漢字まみれで難しい」(仲里さん)。それでも毎日1時間近く勉強を続け、参考書は付箋とアンダーラインだらけになった。

 試験は8月18日で、4日に合格通知が届いた。「自信はあった。一安心した」と仲里さん。母の芽生(めい)さん(29)は「こつこつとよく頑張った。成長を感じた」と目を細めた。

 消防試験研究センター県支部によると、2007年度以降、県内の小学生の合格者は12人目。上原孝夫支部長は「高校生でも手こずる問題があるのに…」と舌を巻いた。丙種全体の県内合格率は43・5%だった。

 丙種の上には乙種1~6類と甲種があり、化学や物理の知識も問われる。仲里さんは「分からなかったことが分かるようになって、学校の勉強より楽しい。将来は県内の発電所で働いて、安全を守る人になりたい」と目を輝かせた。