沖縄教員の足跡知って 台湾の大学生 日本統治下の1222人をデータベースに


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沖縄出身の教員についての情報データベースを制作した亜東技術学院の学生ら=6日、那覇市おもろまちの県立博物館・美術館

 日本が台湾を植民地として統治した時代に、台湾の学校で日本語教育をした沖縄出身の教員の情報を検索できるデータベースを台湾の亜東技術学院に通う学生6人が作成した。沖縄出身教員1222人の名前を調べることができ、このうち103人については履歴書や業績などの詳細も収録した。6日に県立博物館・美術館で始まった企画展「台湾~黒潮でつながる隣ジマ」の展示室に設置したパソコン端末で検索できるほか、CDにも記録した。

 祖父母など家族や、親戚が台湾で教員をしていた経験を聞いたことがある来場者らがルーツを調べるために検索できる。初日の6日は早速、データベースを利用する来場者らがいた。

 データベースを作成したのは亜東技術学院で情報管理などを学ぶ学生6人。指導教員らの提案を受け安村賢祐著「日本統治下の台湾と沖縄出身教員」や台湾の公文書館、総督府などの資料を調べて整理し、データベース化した。

 リーダーを務めた同院3年の黄〓筑(ファンワンジュ)さん(21)は「台湾のすぐ隣に沖縄があることは知っていたが、日本の一部という意識で、こうしたつながりがあることは知らなかった」と話す。「データ量はとても多かったが、一つ一つ整理し作業を進めた。検索できた来場者が喜ぶ様子を見てうれしかった」と笑顔を見せた。 (古堅一樹)

※注:〓は王ヘンに「宛」