崖っぷち琉球 白星 下位対決制し15位浮上 J2


社会
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 サッカー明治安田J2の第31節、FC琉球(19位)は7日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで鹿児島ユナイテッドFC(1試合未消化、20位)と対戦し、2―1で勝利した。琉球は連敗を脱し、4試合ぶりの白星。下位チーム同士の直接対決を制し、通算成績は9勝7分15敗の勝ち点は34、暫定順位は15位まで伸ばした。次戦は14日午後6時から、石川県の西部緑地公園陸上競技場でツエーゲン金沢と対戦する。

琉球―鹿児島 前半、果敢に攻めてゴールを狙う琉球の上門知樹。後半には決勝弾を決め勝利に導いた=7日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(大城直也撮影)

 サポーター席に掲げられた「何が何でも勝て」の横断幕。その言葉どおり、絶対に負けられない一戦を勝ちきった。1―1で迎えた後半11分、右サイドの風間宏矢のロングボールを上門知樹が左足で収める。ワンタッチで交わし、右足を振り抜いたボールは豪快にネットを揺らした。跳び上がって喜ぶサポーターたち。スタジアムは歓喜の渦に包まれていた。

 鹿児島の金鍾成監督がFC琉球の監督だったころ、才能を見いだされて入団した上門は「特別な試合だった。成長した姿を見せたかった」と喜びをかみ締めていた。

 ここ数試合で時々見せていた琉球の緩みは一切なかった。守備では相手の強力な外国人選手にプレスバックでしっかりとボールを奪い、素早く攻撃につなげた。攻めては両サイドを広く使って展開したり、中央から何度も縦パスを入れたりしてゴールへ迫っていく。振り出しに戻された後も、気持ちを切らさず、何人もの選手たちが足をつりながらもゲームをつくった。

 ゴールゲッターの鈴木孝司が抜けた後でも3試合連続でゴールを決める、チームの柱の上門。金監督も「敵になると大きく見えた」と評価していた。上門は「エースという自覚はない。自分のプレーをするだけ」と力を込め、次節での活躍も誓った。

 (喜屋武研伍)