「よそ者」目線で観光政策提言へ 玉川大で「久米島学」開講 地域創生テーマに地域学ぶ


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
新たに開講する“久米島学”について説明する玉川大学観光学部の香取幸一学部長(左)と担当教官の家長千恵子教授=5日、東京都町田市の玉川大学キャンパス

 【東京】東京の大学が“久米島学”を開講し、観光のまちづくりで地域貢献へ―。玉川大学(東京都町田市)は、地域創生をテーマとした観光学部の授業で久米島について学び、観光政策を提言する短期集中型の講座を新たに開設した。座学に加え、島に足を運んで住民へのインタビューなど現地調査を行い、島外の「よそ者」の「若者」目線で観光メニューを提言する。大学で特定の地域に特化した講座を開設するのは珍しい取り組みで注目を集めそうだ。

 学校法人玉川大学・学園は昨年6月、久米島町とまちづくりや人材育成に寄与するための包括連携協定を結んだ。新講座開設もその一環で、特定地域の活性化を学ぶ「地域創生プロジェクト」として始める。

 新講座を受講する学生は男女5人の計10人。9日から授業を開始し、12日まで学内で沖縄や久米島の歴史、現状と課題などを事前学習する。13日から沖縄・久米島へ渡り、16日まで関係者へのインタビューなど現地調査を進める。その結果を踏まえて、島外の若者の目線から考えた観光メニューなどを大田治雄町長に向けて発表する。

 講座を担当する観光学科の家長千恵子教授は「学生たちの純粋な視点を見てもらうのは基本だが、住民に寄り添う形は守りたい。持続する内容にするには住民の皆さんの協力は必要。久米島ならではのメニューをつくることにアイデアを出していきたい」と語る。

 香取幸一観光学部長は「久米島の資源の豊かさには大きな魅力がある。学生自身にまずファンになってもらいたい。島への提案に地元から評価をもらうことで学生たちの気付きにつながるのも重要だ」と意義を説明した。
 (滝本匠)