やんばるクラブ金星 ラグビー九州TL 結成39年で初参戦、昨季王者を撃破


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 ラグビーの九州トップクラブリーグは8日、九州各地で開幕した。名護21世紀の森ラグビー場では九州初参戦のやんばるクラブが昨季王者の福岡かぶと虫クラブに19―12で勝利した。

やんばるク―福岡かぶと虫ク 後半25分、モールを押し込んで山入端寛大がトライを決め、喜びを爆発させるやんばるクラブの選手たち=8日、名護21世紀の森ラグビー場(喜屋武研伍撮影)

 やんばるクは1980年に発足。名護高校ラグビー部のOBを中心に同市内で活動する。トップリーグにつながる全九州クラブ実業団選手権を2010年に制したが、昇格は果たせず、18年に選手権で再び頂点に立ち、九州トップリーグ入れ替え戦で宮崎クラブを51―0で圧倒して今季からの参入を決めていた。

 やんばるクラブの次戦は11月3日、名桜大学多目的グラウンドで甲南クラブ(鹿児島)と対戦する。

◇下馬評覆し成長証明

 結成39年で九州初参戦のやんばるクラブの相手は、昨季覇者の福岡かぶと虫クラブ。格上の相手にもしぶとい守備からアタックに転じ、ピッチを広く、速く使って展開した。ホームの地の利を生かした戦略も奏功し、19―12で下馬評を覆す金星を挙げて見せた。

 立ち上がりからフォワードとバックスが一体となって攻め込み、前半19分は宮城皓介が豪快に先制のトライ。だが自陣でミスが続き7―12と逆転を許した。

 後半は距離感を修正するなどミスを減らした。使い慣れた21世紀の森が悪天候でぬかるみが進むと判断し、ロングキックを多用。セットプレーを起点に好機をつくった。25分にはモールを押し込んでトライを決めて同点に。その4分後には永野将也が華麗なステップワークで相手をかわしながら30メートル以上突き進み、逆転のトライを決めた。永野は「名護のいろいろな方からサポートしてもらったおかげ。うれしい」と控えめに喜んだ。

 仕事をする傍ら週に2日、限られた時間の中で練習を積んでいる。この3年間は「地元のために集まってくれた」(比嘉馨部長)と本土にいた名護出身の若手が戻り、奮起したのも急成長の要因だ。

 宮城皓介は「もっと楽に勝てた。アタックを受けてしまった部分もあるので、次までに改善したい」、約8年在籍している宮城直明は「一戦一戦勝っていくしかない」とリーグを勝ち進んだ先にある、全国クラブ大会出場を見据えていた。やんばるクラブの挑戦は続く。(喜屋武研伍)

◇全国出場目標に

 宮城完爾主将(やんばるク)の話 この半年間はチーム力をひたすら高めてきた。内容は100点満点ではなかったが、良い試合だった。これからは全国大会出場を目標に、一戦一戦しっかり戦っていきたい。


やんばるク 19 7―12 12 福岡かぶと虫ク
        12―0
 


<用語>ラグビーの九州トップリーグ(クラブ)
 各県の8チームが参加。4チームずつの2パートでリーグ戦を行い、各パートの上位2チームによるトーナメント戦で順位を決定する。ことしは12月22日に優勝決定戦を行う予定。上位2位に入ると、第27回全国クラブ大会(2020年1月12日~2月16日)への出場権が与えられる。初参入のやんばるクラブは所属約60人、比嘉馨部長。