砂辺騒音、日平均56回観測 最大は116デシベル 「近くの雷鳴」と同じ 住民生活に深刻な影響 嘉手納周辺でも20~45回測定


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米軍嘉手納基地の北側滑走路から離陸し、ごう音をとどろかせるF15戦闘機=10日午後3時23分、嘉手納町(新里圭蔵撮影)

 2018年度沖縄県環境部の統計によると、嘉手納基地を発着する米軍機から発生する1日あたりの平均騒音発生数(70デシベル以上)は、各測定地で約20~45回前後に上っている。特に北谷町砂辺では56・6回で、騒音が住民生活に深刻な影響を及ぼしている。

 測定は嘉手納基地周辺の19地点で実施している。北側滑走路に近い北谷町砂辺で、過去10年間で最も1日平均の騒音回数が多かったのは2009年の97・2回。次いで13年度の97・1回だった。北側滑走路に近接する嘉手納町屋良A地点は09年、1日平均で68・8回の騒音が発生。17年にも63・2回の騒音が起きている。

 測定地の中で発生回数が際立つ砂辺は18年、116デシベルの最大騒音を記録している。会話はほとんど不可能で、音の大きさの目安として「近くの雷鳴」と例えられている。

 騒音回数はこの数年、増減を繰り返している。負担軽減を名目としたF15戦闘機の訓練移転が実施される一方で度重なる外来機の飛来や暫定配備が住民生活にダメージを与えている。

 周辺自治体や県は再三、航空機騒音規制措置の厳格な運用などを訴えているが、米軍は実行していない。