米軍作成の戦中資料に〝魚釣島〟 日本政府、米国が「尖閣は琉球の一部」と認識


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
米国海軍水路部が1944年11月に作成した、琉球列島、南方諸島の地名集。「魚釣島」(赤線部)などの記述がある

 【東京】内閣官房は10日、2018年度の尖閣諸島に関する資料調査事業の報告書を公表した。米軍が戦時中の1944年に作成した琉球列島、南方諸島に関する地名集が見つかり、魚釣島、黄尾嶼(久場島)、赤尾嶼(大正島)などの表現が確認された。内閣官房は「米国が終戦前から尖閣諸島を琉球列島の一部と認識していたことを示す資料だ」と指摘、その後の米側の領土認識に引き継がれていると意義を強調した。

 資料は18年度の調査で、英国の国立公文書館が所蔵しているのを確認した。内閣官房は「米軍作成の資料を英国と共有したと推測される」と述べた。

 尖閣関係では他にも国有地であった4島を古賀善次氏に払い下げるに当たり、土地価格算定などのために沖縄営林署が作成した調査書や、戦後に米国が尖閣諸島を琉球の範囲に含め、琉球政府による行政権の行使を認めていたことを示す資料の原本画像も公開した。