FC琉球 連勝で浮上狙う 新加入FW・山田寛人 躍進の火付け役に


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本番さながらの緊張感で練習に取り組む山田寛人(右)=12日、南城市陸上競技場(喜屋武研伍撮影)

 J1セレッソ大阪から育成型期限付き移籍で加入したFW山田寛人(19)は、初出場の鹿児島戦はワントップで出場した。ボールを引き出すタイミングや、パスを受けると必ずシュートで終わるなど、非凡な才能をピッチで見せつけた。数々のストライカーが背負ってきた「9」を継承し、琉球の躍進の火付け役となる。

 今季はC大阪のU―23でJ3に出場し、既に7ゴールを挙げていた。樋口靖洋監督の目に留まり声が掛かったが、考える時間はわずか1日。「(トップチームでの出場がなく)成長が止まってきている。何かを変えないといけない」と沖縄での挑戦を決めた。

 契約を進める中で、いくつかの背番号に空きがあった。迷わず選んだのは「9」。今季15得点を挙げ、C大阪に移籍した鈴木孝司や、過去には県出身の我那覇和樹も背負っていた。鈴木超えを目指し、自身を奮い立たせる意味もあった。

 初出場の鹿児島戦は前半14分に、くさびのパスを風間宏矢に落とし、貴重な先制点につなげた。その後も上原慎也から送られたパスをペナルティーエリア付近で受けて、相手DFをかわしてシュートを放つなど、何度もゴールを脅かした。

 琉球と合流した日、樋口監督から掛けられた「レンタルは関係ない。シーズンが終わる頃には、大阪からも琉球からも必要となるような選手になってくれ」という言葉は、鮮明に記憶に残っている。山田は「ゴールを目指す姿勢が、チームの結果につながる」と自身のプレーを貫く。

 (喜屋武研伍)