ハンド指導員の夢へ一歩 比嘉、県高校選手権で審判


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審判員として大会の参加に意気込むコザ高3年の比嘉輝=13日、沖縄市のコザ高校

 ハンドボールが好きだがけがに悩んだため、選手ではなく、指導員の夢を目指す比嘉輝(コザ高3年)が14日に開幕する、第54回県高校選手権で審判を務める。昨年8月に審判デビューしたが、県協会公認大会は初めて。「平常心で、自信を持ってジャッジをしたい」と、楽しみにしている。

 比屋根小2年の頃、コザクラブで競技を始めた。雑誌や動画で戦術の研究をすることが好きで、監督になるイメージも描いていた。宮里中1年の時に腰の疲労骨折で半年以上競技を離れた。高校1年の6月には両足の甲を疲労骨折。「これ以上続けるとけがが増えていくだけだ」と、挫折を味わい部活から遠ざかった。

 それでも動画などで研究を続けるなど、熱は冷めなかった。神里太監督(現浦添工業)の誘いでトレーナーとして部活に復帰。母の睦さん(48)も「夢を追うチャンスじゃない」と背中を押してくれた。

 審判員の誘いは那覇商の仲本淳監督から。より深く競技を理解できるチャンスとして、講習会を受けて、高校2年の4月にライセンス(D級)を取得した。

 昨年から場数を踏み、周囲から「うまくなってきている」と認められつつある。「周囲に助けられてきたので期待にこたえたい」。ゲームを作る主役の一人としてコートに立つ。
 (古川峻)