【東京】国連NGOの反差別国際運動(IMADR)は第28回ヒューマンライツセミナー「アイヌ・琉球の言語を知る―国際先住民族の言語年に」(同実行委員会主催)を12日、東京都の浅草公会堂ホールで開いた。沖縄キリスト教学院大の新垣友子教授が「消滅の危機に瀕(ひん)する琉球諸語」と題して現状を報告した。言語の保護や活性化にインターネットを活用したり、今の日常語に当たる言葉を造語したりして継承を図る提言もあった。
新垣教授は、与那国語のラジオ体操や宮古島語による日本の歌の動画を流し、日本語との違いを説明。琉球諸語が「日本の方言ではなく、同じ語族に属する異なる語派の独立した言語」と強調した。一方、親子の継承が少なく、行政の取り組みが十分に行き渡っていない状況を紹介し、言語権の保障の必要性を訴えた。
動画配信サイトでアイヌ語を配信している関根摩耶さんと、国連の先住民族の権利に関する専門家機構元委員のアレクセイ・ツィカレフさんも報告。新垣さんも交えた3人で先住民族の言語の保護や活性化の方策についても討論した。