伊平屋で公金不正支出か 防犯カメラ設置 村が経緯を調査


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 伊平屋村が2018年3月に実施した村クリーンセンター内のごみ撤去事業に絡んで、経緯が不明なまま防犯カメラがセンターに設置されていたことが13日までに分かった。工事業者は村住民課職員の指示で設置したと説明しているが、村は事業計画による設置を否定した。

 事業に関わった村住民課元係長の男性は今年3月に辞表を提出したが、村は受理せず、村分限懲戒審査委員会(東恩納吉一教育長)を設置し、不正な公金支出がなかったか経緯を調べている。

 伊平屋村のごみ撤去事業は18年3月、名護市の運送会社に約520万円で委託した。運送会社の社長によると、元係長の紹介で村内在住の作業員十数人を雇い、ごみを撤去した。作業を終えた同年4月初旬、社長は520万円の中から作業員に賃金80万円を支払うことを元係長に伝えた。

 社長によると、元係長は当初計画にはなかった防犯カメラが必要と社長に説明し、賃金にカメラ設置費用を上乗せした125万円を自身の妻が経営する村内の会社に支払うよう求めた。妻の会社は作業員に関わる事務に携わっており、社長は金を支払った。

 運送会社の社長は「事業が終わって1、2カ月後にカメラは設置されていた。最初の話にはなくておかしいと思った」と話した。元係長は取材に対し、「当初から防犯カメラの設置計画はあった」と述べ、カメラ設置の経緯に不正はないと主張している。

 村によると事業に関する書類の一部が紛失している。本紙が入手したごみ撤去事業の委託仕様書には防犯カメラに関する記載はなかった。伊礼清副村長は「カメラの予算を計上した事実はない。カメラは設置されているが、書類が紛失しており、誰が取り付けたかは確認できていない」と話している。