地域

経営難、妻の他界、体調不良… 創業107年の食堂、苦難超え新装開店 4代目店主「音楽好き集える場に」

リニューアルした看板の下で「地域に恩返ししたい」と語る玉城薫さん=9日、今帰仁村仲宗根

 【今帰仁】沖縄県今帰仁村仲宗根に、創業107年を迎えた食堂「なーはー屋」がある。1912(明治45)年の創業から4代にわたって地域に愛されてきた食堂が今月、改修を経てリニューアルオープンした。8日は記念のラテン音楽公演が開かれ、常連客ら約70人が門出を祝った。4代目店主の玉城薫さん(65)は「不景気や体調不良にも見舞われたが、夢だった改修がようやく実現した。今後は食堂の幅を広げて、音楽好きが集える場にしたい」と思いを新たにしている。

 なーはー屋は薫さんの曾祖父・矢次郎さんが「丸屋飲食店」として創業。80年に薫さんが母幸子(ゆきこ)さん(88)から引き継いだ。経営が苦しくタクシー運転手など副業をしてしのいだ時期もあったという。娘2人が高校生だった2007年、共に店を支えていた妻幸子(さちこ)さん(享年52)が腎臓がんで他界。昨年は薫さんが体調を崩して入院と、苦難を乗り越えながら店を続けてきた。

 築50年超で老朽化が進んだ店の改修は子ども5人を育てながら店を切り盛りした母や、妻の念願でもあった。2019年度の小規模事業者持続化補助金50万円の対象に選ばれ実現した。


記念公演で妻への思いをつづった名曲「ある恋の物語」などを歌った「フローレス・デュオ」の2人と玉城薫さん(右)=8日、今帰仁村仲宗根の「なーはー屋」

 公演を開いた8日は妻幸子さんの誕生日。妻や地域への恩返し、病払拭の思いを込めた。学生時代からラテン音楽に親しみ地元の仲間とバンド活動している薫さんとの縁で、ペルーの人気歌手「フローレス・デュオ」の2人が駆け付け名曲を歌い上げた。

 管理栄養士になった娘2人や母、客らに囲まれて晴れの日を迎えた薫さん。「母が元気に店に出ているうちに改修できてよかった。どんな時も目標を持って動き続けることが大事。次は120周年だ」と力を込めた。
 (岩切美穂)



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