でいご座、最後も泣き笑い 敬老の日公演で歴史に幕 「喜劇の女王」仲田幸子さん熱演


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自身が旗揚げした劇団「でいご座」の引退公演で熱演する仲田幸子さん(右)=16日、沖縄市民会館(ジャン松元撮影)

 喜劇の女王・仲田幸子さんが率いる劇団でいご座の最後の舞台となる敬老の日公演(沖縄テレビ放送主催)が16日、沖縄市民会館で開かれた。でいご座最後の舞台を見届けようと、会場には開演2時間前から多くの観客が詰め掛けた。同劇団での活動を引退した仲田幸子さん(86)は満員の観客に向けて「歴史に残るような72年の芸歴、ごひいきくださいまして誠にありがとうございました」と感謝を述べた。

 現代歌劇・沖縄版「貫一お宮」や、おはこのお笑い劇「床屋の福ちゃん」に出演した仲田さんは、ちゃめっ気たっぷりの円熟した演技を見せ、会場は笑い声に包まれた。

 那覇市生まれの仲田さんは、15歳だった1947年に南月舞劇団に入団した。仲田龍太郎さん(2011年死去)と出会い結婚。1956年に劇団でいご座を旗揚げした。その後は座長として一座を引っ張り、海外でも公演を行った。ウチナーグチによる機知に富んだせりふやギャグで“喜劇の女王”として多くの人に親しまれてきた。来年米寿を迎えるが、大人数の一行を率いての公演が体力的に難しいとの理由で劇団を閉じる運びとなった。

 終始笑いに包まれた舞台終了後、観客からは「さみしい。来年も見たかった」「もっと続けてほしいのが本音。でもお疲れさまと言いたい」と惜しみながらも、72年にわたって笑いを届けた仲田さんをねぎらう言葉が多く寄せられた。