クレーン解体案で紛糾 那覇港管理組合 業者選定巡り対立


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老朽化により、撤去される予定のガントリークレーンの1号機=那覇市の那覇港

 那覇港のガントリークレーンの撤去を巡り、那覇港管理組合議会(議長・崎山嗣幸県議)が紛糾している。那覇港管理組合(管理者・玉城デニー知事)は8月の定例会で老朽化したクレーン1基の撤去費用の一部を盛り込んだ補正予算案を提案したが、説明不足を理由に賛成少数で否決された。そのため、19日の臨時会で三つの解体案の比較表などを提示した上で再提案したが、県外に運び解体するとした組合側の提案に対し「地元企業を活用すべきだ」との声が複数の議員から上がり、採決が見送られた。

 地元企業の活用を訴える議員らは、組合側が補正予算案に盛り込んだクレーン解体工事の2020年度までの限度額1億7550万円を削除した修正案の提出を検討している。

 那覇港管理組合の補正予算案が否決され、解体工事が長期にわたり先延ばしされた場合、来年度のクルーズ船の寄港などに影響が出る恐れがあるという。

 同組合によると、那覇港新港ふ頭に設置されるコンテナ積み降ろし用のガントリークレーンのうち、1号機は老朽化により早急な解体撤去が必要とされる。

 組合側は19日、撤去解体工事の3案の総工事費(概算)を示す資料を初めて提示。3案のうち、クレーンを県外に運び解体する工事案を「安全性が高く、荷役業者への影響が小さい」と説明した。これに対し複数の議員は「初めから県外案ありきだ」と指摘。今後、想定される他のクレーンの撤去を見据え、地元企業を活用すべきだとの声が上がった。