ヘリポート 病院近辺に 石垣市議会 設置求め決議可決 海保統合、急患搬送遅れ懸念


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【石垣】石垣市議会(平良秀之議長)は17日の市議会9月定例会最終本会議で、石垣島周辺離島で発生した救急患者を搬送するヘリコプターが着陸するヘリポートを、県立八重山病院近辺に設置するよう求める要請決議を全会一致で可決した。宛先は県知事と市長。

訓練で真栄里ヘリポートに着陸する海上保安庁のヘリコプター=2018年11月19日、石垣市

 現在は旧石垣空港跡地にあり、八重山病院近くにある真栄里ヘリポートが急患搬送の着陸に使用されている。だがヘリポートを管理する市は、今後の跡地開発の進展に伴い、ヘリの安全性確保の観点などから同ヘリポートでの安定運用は難しくなるとみており、石垣空港にある海上保安庁石垣航空基地に統合する方針を示している。

 一方で、統合した場合は基幹病院・八重山病院への搬送時間が現在の1分程度から15分程度に延びる見通しで、周辺離島住民らからは継続利用や病院隣接地への設置を求める声が上がっている。

 要請決議案は野党の長浜信夫氏が提出した。「重篤患者の搬送は緊急を要し、時間的ロスで大変憂慮される事態に陥ることも予想され、離島住民に不安が広がっている」と指摘し、「八重山病院近辺に常時使用可能なヘリポート設置を強く求める」とした。

 要請決議可決について中山義隆市長は取材に対し、「急患搬送は一分一秒でも早い方が良いのは確かだが、設置される状況が必要だし、運ぶ際の安全性が重要視される。市としても、県と協議しながら、どういう対応ができるか検討したい」と述べた。