「想定外」 3連休初日の沖縄を襲った台風17号 大木・鉄柱 無残に 暴風、大雨 各地で猛威


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 3連休の初日に沖縄地方を襲った台風17号は21日、県内各地で倒木や冠水などの爪痕を残した。視界を遮るほどの強い雨と強風は街路樹をへし折り、テントを丸ごと吹き飛ばした。被害に遭った本島南部のレンタカー会社の幹部は「想定外」と対応に追われた。連休中のイベントも延期や中止が相次ぎ、主催者らは「残念だが仕方ない」と肩を落とした。

強風の影響で根元から倒れた街路樹=21日午後4時ごろ、那覇市泉崎(又吉康秀撮影)

 豊見城市与根の国道ではレンタカー会社のテントが吹き飛ばされ、片側2車線をふさいだ。午前3時から9時50分まで通行止めとなった。うるま市栄野比の具志川ゴルフクラブ近くの道路では、4メートル程度の木が倒れ、片側1車線をふさいだ。付近は木の枝や葉が数百メートルにわたり散乱した。名護市安和から本部町崎本部にかけた海岸沿いの国道の一部では、激しい波によって砂が打ち上げられていた。普段は観光客や会社員らが行き交う那覇市泉崎では、強風の影響で街路樹が根元から倒れた。

 豊見城市瀬長のルフト・トラベルレンタカー本社では駐車場や洗車場の屋根として使用していたテント5張りと鉄柱が倒壊し、貸し出し用の車両に直撃する被害があった。「想定外」と苦笑いをした同社管理本部の光田国男部長は「事前に2張りを降ろして台風対策をしていたが、ここまでの被害は初めて」と話し、利用客の送迎などの対応に追われた。

暴風で鉄製の柱が根元から折れ、レンタカーに直撃したテント =21日午前11時16分、豊見城市瀬長

 北谷公園野球場では観客席の屋根が強風で外れ、22日の県高校野球秋季大会の日程が一部変更になった。

 県内各地のイベントも変更を余儀なくされた。うるま市で21、22の両日に予定されていた現代版組踊「肝高の阿麻和利」の公演は、11月に延期となった。主催する「あまわり浪漫(ろまん)の会」の事務局を担うTAO Factoryの藏當(くらとう)慎也さん(30)は「最終稽古も終えていただけに残念。楽しみにしていた人にはどうにか見てもらいたいので、会場は変わるが11月に公演する」と話した。

 今帰仁村古宇利島で21日に開催予定だった「古宇利島ナイトフェス2019」も延期し、新たな日程は未定だ。イベントの準備を進めてきた琉球大3年の寺本光希(ひろき)さん(20)は「悔しいけど仕方ない。次に向けてプラスに変えることができるようにしたい」と話した。