台風17号 沖縄観光7万人に影響 農業被害は5354万円


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キャンセル待ちの手続きに並ぶ旅行客ら=20日、那覇空港

 沖縄県は23日、台風17号に関する県災害対策本部会議(議長・玉城デニー知事)を県庁で開き、各部局が被害状況を報告した。農業関係でサトウキビを中心に約5354万円の被害が出たほか、伊平屋島と伊是名島で陸上光ケーブルが断線して光電話、光回線インターネットが一時不通になるなどの被害を報告した。

 農林水産関係では農業の耕種部門で被害が確認され、内訳はサトウキビが約4227万円、オクラやニガウリなどの野菜が約364万円、キクなど花卉(かき)が約750万円だった。地域別では本島南部地区が約3921万円で被害が大きく、中部は約783万円、北部は650万円だった。畜産や水産、施設関連などの被害は調査中。

 観光関連は空路で20、21日に計371便が欠航して6万9232人に影響が出た。22日、平良港に寄港予定だったクルーズ船1隻が欠航(抜港)して2114人に影響が出た。

 通信関係では陸上光ケーブルが断線し、伊是名島で21日午前6時半ごろから、伊平屋島で同日午後0時半ごろから通信障害が発生。22日午後3時20分に復旧した。交通規制は落石の危険がある北中城村道大城登又線など、一部市町村道で全面交通規制が続いている。

 会議では、那覇市で新聞配達員の女性が転倒し、死亡した事案も報告された。県は台風による強風が原因との見解を示した。謝花喜一郎副知事は「人的被害はほとんどが強風による転倒だ。外出を控えるようにメッセージを発信していたが、もっと早い段階での注意喚起が必要だと思う」と意見を述べた。