サッカーの琉球ダイハツカップ第30回県高校女子選手権・第30回九州高校女子選手権県予選は23日、西原町民陸上競技場で決勝を行い、延長にもつれ込む激戦の末、美里が2―1でコザを破り、2年連続7度目の優勝を飾った。2チームは11月9日に鹿児島県で開幕する九州大会に出場する。
1―1の同点でもつれ込んだ延長後半のロスタイム。ペナルティーエリア外の中央でボールを受けたのは美里のエース宮城璃央。「コースが見えた」。迷わず右足を振り抜くと、ボールはゴール右上隅へ。飛び付くキーパーの左手を超えてネットが揺れると、スタンドに歓声と悲鳴が響いた。
1人、また1人と宮城に抱き付く選手たち。フィールドの11人全員が歓喜の輪をつくり、飛び跳ねて喜びを爆発させた。「絶対決めると思って振り切った。みんなが抱き付いてきた時は、泣きそうになった」。先制点と決勝点を挙げた背番号10が、硬い表情を解き、にこっと笑った。
シュート数では圧倒された。コザは堅守から細かいパスをつなぎ、何度も美里ゴールに迫った。これに対し、4―4―2で守備を固めた美里。ロスタイムに追い付かれた後も「気持ちを切らさず、美里のサッカーをやろう」(比嘉穂乃香主将)と声を掛け合い、延長も無失点で耐えた。
好セーブを連発した守護神の仲原瞳空は「後ろから見ていて守備陣が心強かった」と誇らしげ。具志堅一樹監督も「準決勝で負けた夏の総体は、試合中に泣く子もいた。強くなった」と精神面の成長に目を細める。目指すは全国大会へつながる九州4強。深めた自信を手に、挑戦を続ける。
(長嶺真輝)
▽準決勝
美里 6(2―0,4―0)0 那覇
コザ 7(3―0,4―0)0 浦添
▽決勝
美里
2―1(0―0,1―1、延長 0―0,1―0)
コザ
▽得点者 【美】宮城璃央2【コ】城間美羽佳
修正し九州1勝
●美里ゴールに何度も迫ったコザの司令塔、山城芽衣の話 みんな最後まで走れて、やりたいサッカーはできた。自分自身はポストプレーやパスはできたが、フィニッシュまでいけなかった。今日のミスを修正し、九州大会ではまず1勝を目指したい。