8強出そろう 県高校野球秋季大会 八重山農林は初入り


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本部―普天間 6回1死一、三塁、スクイズで本塁にヘッドスライディングし、均衡を破る決勝の1点をもぎ取る本部の3走・島袋琉生=24日、沖縄市のコザしんきんスタジアム(ジャン松元撮影)

 高校野球の第69回秋季大会第8日は24日、沖縄セルラースタジアム那覇など2会場で3回戦6試合を行い、8強が出そろった。八重山農林は沖縄工を4―0で退け、初の8強入り。シードの本部は普天間に1―0で競り勝ち、沖縄尚学は7―0の七回コールドで豊見城に勝利した。宜野湾は第2シードの具志川商に5―1で勝ち、シードの美里工は知念に13―3の七回コールド勝ち。具志川は4―0で名護商工に勝利した。準々決勝は28日、沖縄セルラースタジアム那覇とコザしんきんスタジアムでそれぞれ2試合を行う。

 ほとんど好機をつくれないまま迎えた六回裏。「何球目かでやる」。本部は打席に向かう先頭打者の1番島袋琉生が、道具を渡してくれたチームメートにつぶやいた。50メートルを6秒台前半で走る、チーム一の快足の持ち主だ。

 3球目。バントの構えに猛ダッシュしてきた一塁手と投手の間に転がし、楽々セーフ。後続が犠打を失敗したが、3番打者の初球で二盗に成功。さらに相手の失策で三塁へ進んだ。

 見せ場は続く。1点が欲しい場面、指揮官から4番仲本恭也へのサインはスクイズ。球は投手の真ん前に転がったが「行くのが9割」と決めていた三走島袋は一気に突っ込む。捕手の背後にヘッドスライディングしてタッチを交わし、左手で本塁を陥れた。虎の子の1点を奪った島袋は「仲間を信じて走った。セーフでとにかくうれしかった」。スクイズした仲本は「(投手正面で)一瞬『あ、やばい』と思ったけど、ランナーが島袋だから大丈夫だと思っていた」と信じ切っていた。

 準々決勝は夏の甲子園を経験した選手が投打で引っ張る沖縄尚学。島袋は「投手も守備も良いチーム。良い試合をして、勝てたらいい」と気合十分。自慢の足で、勝利へ駆ける。
 (長嶺真輝)


<きのうの結果>

▽3回戦
 本部 1―0 普天間
 沖縄尚学 7―0 豊見城
  (七回コールド)
 宜野湾 5―1 具志川商
 八重山農林 4―0 沖縄工
 美里工 13―3 知念
  (七回コールド)
 具志川 4―0 名護商工