不正薬物押収量124倍 合計末端価格は5億5300万円 沖縄地区税関2019年上半期


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 沖縄地区税関は26日、2019年上半期(1~6月)に県内の港や空港などで摘発した不正薬物が前年同期比約2倍の27件、押収量は同124倍の約19・6キロだったと発表した。そのうち覚醒剤が2件で押収量約1・8キロ、ヘロインが1件で約15キロ。合計末端価格は約5億5300万円に上る。調査担当者は「摘発数や押収量から見て深刻な状況だ」とし、密輸入防止に注力する方針を示した。

 19年上半期の不正薬物摘発件数は前年同期の15件から12件の増加、押収量は前年同期の約158グラムから約124倍となった。摘発件数は過去最多だった18年の45件を上回る勢いで増加している。海外からの航空旅客による密輸入は13件で前年同期比約3倍。覚醒剤の密輸入2件はいずれも航空旅客による犯行だった。

 不正薬物の密輸入は全国的に増加傾向にあり、特に今期摘発されたヘロイン約15キロは全て県内で押収されている。

 会見で澤藤琢也次長は「消費税率の引き上げに伴う金の密輸入も想定される。関係機関と連携して密輸入を厳正に取り締まっていく」とした。