「多数の園児が空を見上げ、数名が耳をふさぐ」 普天間飛行場近くの保育園で防衛局職員が記録したこと


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園庭で元気に遊ぶ園児たち=2018年6月、宜野湾市野嵩の緑ヶ丘保育園

 【宜野湾】2017年12月に米軍機部品が落下した緑ヶ丘保育園(沖縄県宜野湾市野嵩)の神谷武宏園長と、保護者らでつくる「チーム緑ヶ丘1207」は26日、嘉手納町の沖縄防衛局を訪れ、防衛局が調べた園上空付近を飛ぶ米軍機データを基に、米側へ上空飛行禁止を申し入れるよう求めた。防衛局職員が訪れた数時間で、米軍機が園上空付近を最大11回飛行する実態があった。

 防衛局は園側の要望に応じ、6~8月に7日間、園に職員2人を派遣した。職員は滞在した2~3時間、ビデオカメラで米軍機を撮影し園児らの様子をメモ。MV22オスプレイやCH53Eヘリが飛行した時は資料に「多数(の園児)が空を見上げ、数名が耳をふさぐ」と書き込んだ。

 園で騒音測定している琉球大学の渡嘉敷健准教授(環境・音響工学)のまとめによると、防衛局職員が訪れた少なくとも2日の数時間で「昼間の繁華街」とされる80デシベル台が8~9回記録された。

 神谷園長は防衛局の村井勝企画部長らに派遣を感謝した。その上で(1)事故を再検証し上空から落下した部品であることを日本側として公表(2)米軍に飛行ルートを順守し園上空の飛行禁止を要望する―などとした要望書を手渡した。

 神谷園長によると村井部長は「(米側に)直接会って話をする」と答えた。防衛局は11月までに米側と面談し、園に報告に訪れるという。神谷園長は「今の状況が変わるよう防衛局も知恵を出し、真摯(しんし)に考えを深めてやってほしい」と求めた。