カチャーシー大賞祈願し富士登山 ぴっころ学童


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富士山登頂を目指すぴっころ学童くらぶの児童ら=8月、山梨県の富士山5合目(学童提供)

 キノボリトカゲの方言名「アタクー」がトレードマークの「ぴっころ学童くらぶアタクーNo.1」。宜野湾市大謝名にあるぴっころ学童くらぶメンバーでつくるチームで、29日に宜野湾海浜公園多目的広場で開かれる第30回記念の飛衣羽衣カチャーシー大会子どもの部に、12回目の出場を果たす。翌春に学童を卒業する小学6年生は夏休み、卒業旅行で富士山に登る伝統がある。過酷な登山で一皮むけた6年生とチームはカチャーシーでも頂上を目指す。

 富士山登山のきっかけは児童の何気ない一言だった。学童の福英雄代表(64)によると2005年春、4年生児童が6年生の卒業旅行で山登りをする話題になった。福代表は国頭村の与那覇岳などを考えたが、児童が「日本一にすれば」と提案したことから富士山に決定した。

 誰も富士山登山の経験がなく、手探りで準備を始めた。児童が6年生になる07年まで2年掛けて旅費を工面し、登山経験者の話を聞き、ウオーキングで体力づくりをした。

 いざ登山すると高山病と氷点下の気温に悩まされたが、やっとの思いで登頂に成功。児童らと日本一の高さから見た御来光に福代表は「とてもきれいで格別なものがあった」と振り返る。登頂翌日、那覇空港から会場に向かったカチャーシー大会で、初めて大賞を獲得したのも大きな思い出だ。

 今年の登山は大謝名小の大越美咲さん(11)と、はごろも小の上地華月さん(11)、はごろも小から与那国町へ転校した金城明花莉さん(11)の3人が挑戦した。天候不良で8合目までの登山だったが、大越さんは「富士山に登ったから、つらいことがあっても乗り越えられそう」とたくましく話す。次の目標はカチャーシー大会で8回目の大賞獲得だ。
 (金良孝矢)