琉球新報社 高校野球の第69回県秋季大会第10日は29日、沖縄市のコザしんきんスタジアムで準決勝2試合を行った。八重山農林は3―2で具志川との接戦を制し、初の決勝進出を決めた。沖縄尚学は11―1の五回コールドで嘉手納に勝ち、2年ぶり14度目の決勝進出となった。両チームは第145回九州地区大会（10月19～24日、佐賀県）の出場権を獲得した。九州大会の成績は来春の全国選抜大会出場選考の参考資料となる。八重山農林は初の九州大会で、沖縄尚学は4季ぶり24度目。決勝は10月5日午後1時からコザしんきんスタジアムで行う。
◆沖尚、攻守隙なし
上位から下位まで打線が間断なくつながり、要所で堅守を見せた沖縄尚学が快勝した。攻守のミスで辛勝した前日から一転の戦いぶりに比嘉公也監督は「決める部分で決めた」とほっとした表情だった。
初回の好機を逃さなかった。四球と連打などで2点先制し、なおも1死一、三塁。6番・嘉手納孝行がスクイズを決める。小技の成功で勢い付けた嘉手納は「しっかり決めてそのまま流れを持っていきたかった」と頬を緩めた。
先発の嘉陽太一が三回までを被安打2で抑えたが、四回に2個目の四球を出すと、大湾朝日がマウンドへ。比嘉監督は「嘉陽もよく抑えたが、欲張ると四球が出る。無駄な四球は簡単に失点につながってしまう」と序盤の継投について説明した。
ブルペンで嘉陽の様子を気に掛けつつ準備していた大湾は「いつでも出られるようにしていた」と被安打2、与四球1で最後まで投げきった。
チームが掲げるのは「100パーセントの守備」。失策はなかったものの、細かなミスを決勝や九州に向けた課題とし、完璧を目指す。與谷友希主将は「決勝も勝ちきって、九州でも戦える戦力を確認したい」と気を引き締めた。
（上江洲真梨子）
◇県秋季高校野球 準決勝
沖縄尚学
３２１ ３２｜１１
０００ １０｜１
嘉手納
（五回コールド）（沖）嘉陽、大湾―藏元
（嘉）新垣、伊禮颯、呉屋、新垣、伊禮颯―照屋
▽三塁打 島袋（沖）
【沖尚は2年ぶり14度目の決勝進出】
【評】沖縄尚学が毎回11得点の猛打で勝負を決めた。犠打や盗塁など小技を挟みながら、15安打で効率良く得点。投げてはエース永山蒼を温存し、嘉陽太一と大湾朝日の継投で1失点に抑えた。嘉手納は継投した投手陣の制球が定まらず、打線は好機での1本が少なかった。
