家計圧迫に不安 店は準備大わらわ 消費税10%


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増税を前に店内のチラシを張り替える従業員ら=30日夕、南風原町のイオン南風原

 消費税は1日、8%から10%へ引き上げられた。増税前夜の9月30日、県内の大型店舗などでは“最後の駆け込み”で日用品などを買い求める人々が詰め掛けた。買い物客からは「増税で家計は圧迫される」などと今後の生活への影響を懸念する声が上がった。一方、店舗側は料金表示を変更したり、売り場の掲示物などを付け替えたりするなど日付が変わる直前まで対応に追われた。 

 南風原町のイオン南風原店にはトイレットペーパーや洗剤など生活必需品をまとめ買いする客らがレジ前で長い列をつくった。閉店前には「増税前セール」の掲示物が取り外され「キャッシュレスのお買い物でポイント還元」とキャッシュレス決済を呼び掛けるものに付け替えられた。

 娘の千鶴さん(31)と訪れた上原信子さん(58)=南城市=はこの日だけで3店舗を回り、日用品を買い求めた。増税に一定の理解を示しつつも「2%とはいえ、増税で家計は圧迫されるので、低賃金の沖縄では生活に与える影響は大きいのではないか」と語った。

 浦添市のメイクマン浦添本店では家電や自転車など比較的高額な商品を購入するためレジに並ぶ様子も見られた。ソファやダイニングセットなど家具の売れ行きも良く「明日から増税になるのか」などと問い合わせがあったという。下地光子さん(73)=那覇市=は娘の安里佐和子さん(45)=宜野湾市=と来店。シャンプーや洗剤、ペット用品を買い込み「壁紙を買おうか考えている」とメモを片手に語った。

 ハンバーガーショップ「A&W」を経営するエイアンドダブリュ沖縄は29日夜に全店で価格表示切り替えの準備をした。A&Wでは増税後、持ち帰りは消費税8%、施設内飲食は10%で税込価格が異なる。屋嘉部力スーパー店長は「キャッシュレス決済も同時に導入する。従業員が慣れるまでは当面人数を増やすなどして混乱しないように対応したい」と話した。