飲酒運転増えた?減った? 飲酒運転根絶条例施行から10年の沖縄


社会
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 飲酒運転のない安全な県民生活の実現を求める「県飲酒運転根絶条例」の施行から1日で10年を迎えた。県警交通指導課のまとめによると、2009年から19年(9月25日時点の速報値)の飲酒運転摘発件数は、毎年千~2千件前後で推移していたが、15年以降は増加傾向にある。県警交通部は「酒を飲んでも少しなら大丈夫という甘い認識はやめてほしい」と注意を呼び掛けている。

 県警交通部のまとめでは、県内の飲酒運転の摘発件数は2010年の2239件が最多で、14年は最少の1200件と減少傾向だった。ところが15年からは増加傾向に転じ、18年は過去2番目に多い2222件の摘発数となった。

 県警は19年上半期(6月末)までの飲酒運転の摘発者763人に「飲酒運転実態調査」を実施した。飲酒前の意思を尋ねる項目では「酒を飲んだ後、車を運転するつもりだった」が56・1%、飲酒運転をした理由を尋ねる項目では「その程度は大丈夫と思った」が45・7%で、それぞれ約半数を占めた。

 飲酒運転による交通事故で左半身まひなどの後遺症があり、現在は飲酒運転根絶アドバイザーとして活動する宮城恵輔さん(35)は「まさか自分が事故を起こすとは思わなかった。事故が起きてからでは遅い。多くの県民が自分事として捉えきれていない」と指摘した。県警交通部の伊波興二管理官は「飲酒運転に対する意識は改善されてきているが、根絶に向けてはまだまだ県民の意識改革が必要だ」と注意喚起した。

 30日午後3時半から浦添市のアイム・ユニバースてだこホール(てだこホール)で「飲酒運転根絶県民大会」が予定されている。