日中韓高官、近く協議 25日軸、首脳会談見据え


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 日本、中国、韓国3カ国は、外務省高級事務レベル協議を9月中にソウルで開催する方向で検討に入った。25日を軸に調整を進める。複数の外交筋が8日、明らかにした。中国は東京電力福島第1原発の処理水放出に反発しているが、3カ国の枠組みによるハイレベル対話を継続する重要性では一致しているとみられる。高官協議を実現させ、日中韓首脳会談の年内開催につなげられるかどうかが焦点だ。
 高級事務レベル協議は、日本から船越健裕外務審議官が出席する見通し。日中韓対話は事務レベル協議から外相会談、首脳会談と段階を踏むのが通例で、高官協議は首脳会談に向けた準備会合の意味合いがある。日本政府関係者は「議長国の韓国が意欲的だ。日本がブレーキをかけることはない」との認識を示した。
 中国は処理水を「核汚染水」と呼び、日本産水産物の輸入停止に踏み切った。岸田文雄首相は6日、インドネシアで中国の李強首相と短時間立ち話し、輸入停止措置の撤廃を求めた。同時に建設的で安定的な日中関係構築の重要性も訴えた。
 日中韓首脳会談は2008年以降、3カ国が持ち回りで開催。毎年実施を目指すものの、2国間関係の悪化などで間隔が空くケースも少なくない。新型コロナウイルス禍も影響し、19年12月を最後に途絶えている。